土鍋の目止めとは?目止めのやり方と土鍋の正しい保管方法

使えば使うほど土鍋は美味しく調理できるようになると言われています。
そのため「土鍋は育てる物」と例えられほど丁寧なお手入れが必要で、その一つに「目止め」があります。
今回は土鍋を上手に活用する方法に焦点を当てて書いていきたいと思います。
土鍋の目止めとは、目止めのやり方、土鍋の正しい保管方法についてご紹介します。

もくじ
○土鍋の目止めとは?
○土鍋の目止めのやり方
○土鍋の保管方法とは

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○土鍋の目止めとは?

そもそも、土鍋の目止めって何?と思われる方も多いでしょう。
目止めという言葉は、木材を加工する時に木目の筋や小さな穴を粉で埋める手法に使われます。

土鍋の場合は、焼く時に膨張して貫入(かんにゅう)と言うヒビができてしまいます。
これは通常のヒビ割れとは違い、膨張による影響を自ら調整して割れるのを防ぐ為にできた隙間です。
しかし、土鍋の中には、この貫入から水が染み出てしまうものがあるので使用前に埋めておく必要があります。この作業のことを「土鍋の目止め」と呼んでいます。

目止めとは土鍋をより長く、良い状態で使うための準備ですね。

・土鍋に目止めは必要なのか
「買ったらそのまま使っちゃダメなの?」と思っている方も多いと思いますが、土鍋には目止めが必要な物と不要な物があります。
その違いは土鍋の素地の成分によって変わってきます。

目止めが不要な土鍋
ペタライトやリチウム長石を多く混ぜて人工的に強度を増した耐熱土が使われている土鍋は目止めが要りません。
熱による膨張の影響が無く、水が染み込まないからです。
熱伝導率も高いので沸騰も早く便利ですが、高価になりがちです。

目止めが必要な土鍋
強度を上げる成分が無調合の土鍋は目止めが必要です。
正しいお手入れをすれば、本来の土鍋の良さである、ゆっくり温めて満遍なく具材に火を通す効果で美味しいお鍋やご飯が炊けます。
値段もお手頃な物から職人こだわりの一品の高価な物まで幅広いです。

購入する時や使用する前に、目止めが必要な土鍋かどうか確認しておきましょう。

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○土鍋の目止めのやり方

では、土鍋の目止めのやり方を紹介していきます。

①ヒビ割れや傷が無いかチェック
まず、土鍋を購入したら土鍋にヒビや傷が無いか確認をしましょう。
大きなヒビ割れや傷は目止めでは修復できません。
いざ使うときに、火にかけて熱で破損すると事故につながる可能性があるので、まずは目視で確認しましょう。

②水とデンプン質を入れる
鍋の八分目まで水を入れます。
それから、ご飯や片栗粉などのデンプン質のものを入れて小さな隙間や穴を塞ぐ、つなぎ作業をします。
ご飯はお米では無く、炊いたご飯を茶碗1杯分ほど用意してください。
片栗粉であれば水の量の10%の量を目安にしてください。

③加熱
ご飯などのデンプン質を入れたら、吹きこぼれしないようにゆっくり加熱します。
水が沸騰してからご飯や片栗粉を入れると目止めの効果が弱まりますので、最初から一緒に加熱してください。
特に片栗粉はしっかり混ぜて溶かしてください。そのまま蓋をしないで1時間弱火にかけて加熱します。

④冷ましてから洗う
火を止めて放置し、しっかりと冷めるのを待ちましょう。
急激な温度変化に弱いので、すぐに冷水をかけて洗うのは厳禁です。
必要な量のデンプン質は染み込んでいますので、わざとデンプン質を残しても強度は変わりません。むしろ、汚れがカビのエサになりますのでしっかり綺麗に洗いましょう。
柔らかいスポンジ等を使って傷を付けないように気をつけましょう。

⑤乾燥
洗い終わったら半日ほど自然乾燥させて、完全に水分が無くなれば目止めは終了です。

一般的に目止めは初めて使用する時に行います。
でも、使い続けていく中で新しくできた小さなヒビ割れも修復することが可能です。
方法は、全く同じなので買い換える前にお試しください。

○土鍋の保管方法とは

〈土鍋の洗い方〉
まずは自然に冷めるまで待ちます。
ご飯を炊いただけなら、洗剤は不要かと思います。
汚れ具合によって中性洗剤を使い、柔らかいスポンジ等で洗いましょう。
亀の子タワシや棒タワシは土鍋洗いに重宝します。金属のタワシは傷が付くので避けてください。
洗い終えたら土鍋の裏表をしっかり乾燥させてください。

〈土鍋の保管方法〉
お鍋は吸水性が高いので、保存時に水は大敵になります。
完全に乾いていない状態で保存してしまうと、すぐにカビが生えてきます。
土鍋の臭いの原因は、乾燥が不十分だったせいで残った水分が腐敗したことがほとんどです。
ですので、片付ける際は完全に水気を取ってから保管するようにしましょう。

使い終わったら風通しの良いところで自然乾燥し、釉薬が塗られていない底面を上にすると乾きやすいです。
また、長い間使わない場合は新聞紙に包んで保存した方が良い状態をキープできます。
購入した時に段ボールに入っていたとしても、段ボールに入れての保存は湿気がこもりやすいです。段ボールには入れず風通しの良い場所を選んで保管しましょう。

まとめ

今回は、土鍋の目止めとは何か、目止めのやり方や土鍋の保存方法について書きました。
これで土鍋の基本的なお手入れ方法はご理解頂けたかと思います。
せっかく自分好みの土鍋を買ったのだからなるべく長く使いたいですよね。
土鍋は手をかければかけるほど良い仕事をしてくれるので、料理の質を上げたい方だけでなく、クリエイティブで何かを育てることが好きな方に向いていると思います。
土鍋のお手入れは大変というイメージを持ちやすいですが、知ってみるとそうでも無いですよね。
一人暮らしの方、忙しい主婦の方でまだ使った事が無いと言う方も是非、土鍋料理に挑戦してみてくださいね。

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